Tomcatに認証回避と応答混在の欠陥、CVSS 9.1で更新を

Apache Tomcat に、
脆弱性の概要
- 対象
- Tomcat
- 悪用
- 確認されていない
- 影響
- 認証を通り抜けられる。利用者の間で応答が混ざる
- 修正版
- 修正版あり
- 公表元
- Apache Tomcat / CISA
| 製品 | 対象のバージョン | 修正版 |
|---|---|---|
| Tomcat 11.0系 | 11.0.0-M1〜11.0.26 | 11.0.27 |
| Tomcat 10.1系 | 10.1.0-M1〜10.1.60 | 10.1.61 |
| Tomcat 9.0系 | 9.0.0.M1〜9.0.122 | 9.0.123 |
| Tomcat 8.5系・7.0系 | サポート終了 | 修正版なし(サポート中の版へ移行) |
| Ubuntu の tomcat9 / tomcat10 / tomcat11 | 確認中 | 公表なし |
製品の履歴:Apache Tomcatの脆弱性一覧
やること
Tomcat(Java の Web アプリを動かすサーバー)を次のバージョンへ更新してください。
- 11.0系は 11.0.27、10.1系は 10.1.61、9.0系は 9.0.123 です
- 8.5系と 7.0系はサポートが終わっていて修正版が出ないので、サポート中のバージョンへ移ってください
- 公式はバイナリのパッチを出していないので、バージョンを上げて対応してください
Ubuntu の tomcat パッケージは CVE-2026-101296 について「確認中」で、USN(Ubuntu のセキュリティ通知)も出ていません。Ubuntu のパッケージのバージョンは公式のバージョン番号とは別なので、番号だけでは判断できません。USN が出たら apt で更新してください。
更新までの間にできる回避策は、Apache の告知には書かれていません。修正は更新だけです。
何が危ないのか
Apache Tomcat は、10月20日に重要度が Important の欠陥3件を CVE として公表しました。11.0.27 のページには全部で7件(Important 3件、Low 4件)、10.1.61 のページには6件(Important 2件、Low 4件)が載っています。
- CVE-2026-101296:JNDIRealm(ディレクトリーで利用者を確かめる機能)を GSSAPI 以外の SASL で使うと、正しいパスワードなしで認証を通れます
- CVE-2026-101356:HTTP/2 と非同期のサーブレットの組み合わせで、利用者の間で要求や応答が混ざることがあります
- CVE-2026-103119:AJP という接続で大きなデータを送ると、応答の一部が次の要求へ混ざり、情報が漏れるおそれがあります。11.0系だけの欠陥です
Apache は CVSS を付けていません。上の 9.1 は米国の CISA が CVE-2026-101296 に付けた v4.0 の値で、ネットワークから届き、ログインは要らず、利用者の操作も要らないという評価です。同じ記録で、CISA は悪用を「なし」としています。悪用の確認は公表されていません。
3件の違い
CVE-2026-101296 は、認証を通すかどうかの判定が抜けていたものです。JNDIRealm は、社内のディレクトリーサーバーに問い合わせて利用者を確かめる Tomcat の部品です。この部品を GSSAPI 以外の SASL(認証のやり取りの方式)で設定していると、パスワードの検証が実質的に行われません。GSSAPI を使っている環境は対象外です。
CVE-2026-101356 は、HTTP/2 で非同期サーブレットを使い、その処理の途中でエラーが起きたときに起こります。部品の使い回しに不備があり、別の利用者の要求や応答が混ざります。
CVE-2026-103119 は、大きなデータをブロックせずに書き出すときに、読み取る位置を誤るものです。応答の本文が、いまの要求と同じ接続の次の要求に分かれてしまい、次の要求が失敗する可能性が高くなります。最初の応答のデータが次の応答に漏れることもあります。
Tomcat を直接使っていなくても、Java の業務システムや製品の中に Tomcat が入っていることがあります。その場合は、バージョンと更新の予定を製品の提供元に問い合わせてください。
対象
CVE-2026-101296 の対象は、11.0.0-M1〜11.0.26、10.1.0-M1〜10.1.60、9.0.0.M1〜9.0.122 です。サポートが終わった 8.5.0〜8.5.100 と 7.0.0〜7.0.109 も影響を受けることが知られています。
CVE-2026-101356 の対象は 11.0.22〜11.0.26、10.1.55〜10.1.60、9.0.118〜9.0.122、CVE-2026-103119 の対象は 11.0.0-M25〜11.0.26 です。
8月25日と9月23日の公表分にも Important の欠陥があります。途中のバージョンを飛ばしていても、上のバージョンへ上げればまとめて修正されます。
自社で確かめること
- 製品の中の Tomcat を探すJava の業務システムには Tomcat が入っていることがあるので、開発元にバージョンと更新の予定を問い合わせてください。
- 設定を確かめるJNDIRealm で SASL を使っていないか、HTTP/2 や AJP を有効にしていないかを確かめてください。
- Ubuntu は通知を待つUbuntu のパッケージで動かしている場合は、公式のバージョン番号と比べず、USN の公開を確かめてください。
出典
- Apache Tomcat「Security Updates: Apache Tomcat 11.x」
- Apache Tomcat「Security Updates: Apache Tomcat 10.x」
- Apache Tomcat「Security Updates: Apache Tomcat 9.x」
- oss-security「CVE-2026-101296: Apache Tomcat」
- oss-security「CVE-2026-101356: Apache Tomcat」
- oss-security「CVE-2026-103119: Apache Tomcat」
- CVE 記録「CVE-2026-101296」
- CVE 記録「CVE-2026-101356」
- Ubuntu「CVE-2026-101296」



コメント 0
まだコメントはありません。