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脆弱性情報

圧縮形式Brotliに外からコード実行の脆弱性、悪用を確認

サイバーセキュリティ情報センター 編集部

画像はイメージです。記事に出てくる組織や現場とは関係ありません。

圧縮形式 Brotli の処理に、細工したデータでコードを実行されるおそれがある脆弱性 CVE-2026-111497 が見つかりました。Node.js などが対象で、悪用も確認されています。使っている製品のバージョンを確かめてください。

脆弱性の概要

緊急CVSS9.2
対象
圧縮ライブラリ
悪用
あり(確認済み)
影響
細工した圧縮データでコードを実行される
修正版
修正版あり
公表元
Google / JPCERT/CC / CISA
影響を受ける製品
製品対象のバージョン修正版
Brotli 1.2系1.2.1 より前1.2.1
Brotli 1.1系1.1.1 より前1.1.1
Brotli 1.0系1.0.3 以上 1.0.10 未満1.0.10
Node.js 26系 / 24系 / 22系修正版より前v26.12.1 / v24.22.1 / v22.23.4
Python の brotli1.0.3 以上 1.2.1 未満1.2.1
Python の brotlicffi1.0.3 以上 1.2.1.0 未満1.2.1.0
PAN-OS 12.2 / 12.1 / 11.2Brotli 検査と TLS 復号が有効な機器12.2.4-h1 など(案内のとおり)

製品の履歴:Node.jsの脆弱性一覧Brotliの脆弱性一覧

やること

Brotli は Web の通信やファイルを小さくする圧縮形式です。自社のシステムで使われていないかを確かめ、修正版へ更新してください。

  • Brotli 本体は 1.2.1、1.1.1、1.0.10 です
  • Node.js は v26.12.1、v24.22.1、v22.23.4 です
  • Python のパッケージは、brotli が 1.2.1、brotlicffi が 1.2.1.0 です
  • 製品に組み込まれている場合は、開発元の案内に従ってください

Google は緩和策を出していません。製品ごとの緩和策は開発元の案内で確かめてください。

何が危ないのか

CVE-2026-111497 は圧縮データを元に戻す処理の欠陥です。細工したデータを展開させると、メモリの範囲の外へ書き込みが起き、アプリの異常終了やメモリの内容の漏えい、コードの実行になるおそれがあります。攻撃にログインは要りません。CVSS は v4.0 で 9.2 です。評価は、ネットワークから届き、難易度は低く、利用者の操作は不要とし、攻撃の成立にはある前提条件が要るとしています。

Google は10月21日に修正版を公開しました。JPCERT/CC は10月26日に注意喚起を出し、この脆弱性が Node2Shell や HTTP2Shell と呼ばれていると説明しています。もとは Node.js が10月21日に公表した脆弱性として Node2Shell と呼ばれましたが、原因は Brotli の C 言語の実装にあり、HTTP の通信で広く使われることから HTTP2Shell とも呼ばれます。米国の CISA は10月27日に、悪用が確認された脆弱性の一覧(KEV)へ追加しました。

悪用の見え方は、公表元によって違います。JPCERT/CC の注意喚起には、悪用の状況の記載がありません。Palo Alto Networks は悪用を把握していないとし、Fortinet は11月6日更新のページで、既知の悪用は「なし」としています。悪用の確認として載せているのは CISA の一覧です。

自社の何が当てはまるか

この欠陥は、外から受け取った Brotli のデータを展開する処理があるときに問題になります。Node.js では、node:zlib の Brotli 展開が対象で、Node.js のお知らせは次のような例を挙げています。

  • 検証していないアップロードファイルを展開する
  • 外部からの応答の Content-Encoding: br を展開する
  • 外から受け取ったデータの展開処理がある

Node.js のお知らせには、特定の設定が要るかどうかの記載はありません。Node.js はこの欠陥のほかにも、同じ10月のセキュリティリリースで複数の脆弱性を直しています。サポートが終わった版も、リリースの時点では影響を受ける前提とされています。

Python では、brotli と brotlicffi の両方のパッケージが影響を受けます。Node.js 側の問題と同じ原因の欠陥が、Python のパッケージにも及んでいます。

対象

Brotli 1.0.3 から 1.2.0 までが対象です。JPCERT/CC は Node.js、Bun、Python 向けのパッケージなどが含まれるとしています。Brotli は多くの製品に組み込まれているため、Brotli 形式のデータを展開する処理を使っている場合は、各開発元の案内で影響を確かめます。

Palo Alto Networks の PAN-OS は、Brotli の検査と TLS の復号の両方を有効にしている機器が対象です。管理用の画面は影響を受けません。確認は、11.2.4 以降ではコマンド show system setting brotli で「Enabled: yes」かを見ます。修正版に更新できないときは、set system setting brotli-encoding disable で Brotli のエンコードを無効にできます。PAN-OS 11.1 と 10.2、Panorama は影響を受けません。

Fortinet は11月6日の時点で、一部の製品への影響を調査中としています。FortiOS や FortiManager など多くの製品は影響なしと確認されています。

自社で確かめること

  1. Node.js と Python のバージョンを確かめる自社のシステムで動く Node.js と、Python の brotli パッケージのバージョンを確認してください。開発を委託しているなら委託先に問い合わせてください。
  2. 製品の開発元の案内を見るBrotli は多くの製品に組み込まれています。使っている製品に影響があるかは、開発元の情報で確かめてください。
  3. 侵害の有無を調べるJPCERT/CC は修正版の適用に加えて、侵害の有無の調査を挙げています。アプリの異常終了が続いていないかも見てください。
自社で確かめるのが難しい場合はCyberScope のセキュリティ診断(3万円から)

出典

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