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漏洩情報

Chainalysis、全利用者のトークン流出 第一報から範囲が拡大

サイバーセキュリティ情報センター 編集部

画像はイメージです。記事に出てくる組織や現場とは関係ありません。

Chainalysisは11月4日、全利用者の氏名、利用者名、パスワードのハッシュ、有効なトークンが漏れたと公表しました。10月30日の第一報では、認証情報への不正アクセスの証拠はないとしていました。

この事故の概要

流出の恐れがある件数全利用者(人数は公表なし)
公表日
2026年11月4日
組織
Chainalysis(IT)
原因
攻撃用のAIエージェントの手法による社内システムへの侵入
漏れた情報
氏名、利用者名、メールアドレス、組織内の役割、パスワードのハッシュ、有効なトークン
発覚
2026年10月

何が起きたのか

暗号資産の取引の調査や監視のサービスを提供するChainalysisは2026年10月30日、セキュリティ事故を公表しました。外部の攻撃者が攻撃用のAIエージェントの手法で社内のシステムとツールに入ったとしており、Binanceの暗号資産の窃取とは無関係と説明しています。

第一報では、調査データ、認証情報、セッショントークンへの不正アクセスの証拠はないとしていましたが、その後、範囲が広がりました。

  • 11月2日:ReactorとData Solutionsを予防のため停止。取引監視のKYTは動かしたまま、異常な動きを監視
  • 11月4日:一部の顧客のパスワードが、通信の途中に入り込む攻撃(オンパス攻撃)で漏れたと公表。対象の利用者にはメールで知らせ、パスワードを再設定するまでアカウントをロック
  • 11月4日:異常な動きを受けて、KYT、アドレス確認の製品、ログイン画面も停止。パスワードの再設定も一時できない状態に
  • 11月4日:全利用者の情報が漏れていたと公表

漏れた情報

第一報で挙げていたのは、利用者ID、氏名、メールアドレス、組織内の役割です。第一報では、これらを機密性の低い情報として扱っていました。

11月4日の発表では、全利用者の氏名、利用者名、パスワードのハッシュ、有効なトークンが外部の攻撃者に見られたとしています。人数は公表されていません。

  • パスワードのハッシュ:パスワードを一定の計算で変換した値です。元に戻しにくい形ですが、単純なパスワードは推測で当てられることがあります
  • 有効なトークン:ログインしている状態を示す情報です。使われると、パスワードを入れなくても、その利用者としてサービスを使われるおそれがあります

KYTのアカウントに不正なアクセスの疑いがある顧客には、直接連絡しています。調査データ(グラフ、メモ、案件など)が見られた証拠や、同社の帰属データ(アドレスの持ち主の情報)が書き換えられた証拠はないとしています。

第一報と後の発表では、同じ事柄の書き方が変わっています。

項目 10月30日の第一報 11月4日以降
認証情報 不正アクセスの証拠はない 全利用者のパスワードのハッシュと有効なトークンが見られた
パスワード 平文のパスワードへのアクセスの証拠はない 一部の顧客のパスワードがオンパス攻撃で漏れた
事故の呼び方 過去のサイバー事故 続いているサイバー攻撃

会社の対応

11月6日から、KYTとアドレス確認のサービスを段階的に再開しています。ReactorとData Solutionsは止まったままで、外部の専門家と環境の強化を進めています。

顧客には、次のことを求めています。

  • 接続を許すIPアドレスを、サポートか担当者に届け出る
  • 全利用者がパスワードを再設定する。メール内のリンクではなく、公式のログイン画面から行う
  • APIキーを使っていれば、取引を登録する前に替える
  • ほかのサービスで同じパスワードを使っていれば、そちらも変える
  • 二要素認証をオンにする(10月30日の通知で推奨)
  • 身に覚えのないパスワード再設定の依頼や認証の画面が出たら、社内の担当者に報告する

日本の会社に関係すること

この件では、第一報の「証拠はない」が5日後に変わりました。取引先の第一報だけで判断せず、続報を追う担当者と、いつまで追うかを決めておきます。自社が事故を公表するときも、確認できた範囲と調べている範囲を分けて書けます。

外部サービスの事故でパスワードとAPIキーを全員分替えることになった場合、次の準備が時間を決めます。

  • 外部サービスのAPIキーを、どのシステムのどの設定で使っているかの一覧
  • 同じパスワードを複数のサービスで使っていないかの点検。使い回しがあると、ハッシュが破られたときに他のサービスにも影響します
  • 接続元のIPアドレスを制限できるサービスでは、許可するIPアドレスの一覧

自社で確かめること

  1. 取引先の事故の続報を追う使っている外部サービスが事故を公表したら、誰が続報を確かめ、いつまで追うかを決めます。
  2. APIキーの一覧外部サービスのAPIキーをどのシステムで使っているか書き出しておきます。一斉に替えるときに必要です。
  3. パスワードの使い回し業務で使う外部サービスにほかと同じパスワードを使っていないか点検します。
自社で確かめるのが難しい場合はCyberScope のセキュリティ診断(3万円から)

出典

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