消防庁の安否情報システムに不正アクセス、委託先が報告

消防庁は、
この事故の概要
- 公表日
- 2026年11月5日
- 組織
- 消防庁(自治体・公共)
- 原因
- 運用保守の委託先から報告された不正アクセス(詳細は調査中)
- 漏れた情報
- 公表なし(個人情報の漏えいは確認されていない)
- 発覚
- 公表なし
何が起きたのか
消防庁は2026年11月5日、運用する「武力攻撃事態等における安否情報収集・提供システム」に第三者の不正アクセスがあったと公表しました。
運用保守の委託事業者である富士ソフトから、不正アクセスを確認したとの報告を受けたものです。富士ソフトも同じ日に、このシステムで不正アクセスを検知し、速やかに外部からのアクセスを遮断したと公表しました。不正アクセスの詳しい内容は委託事業者が調査しており、消防庁の資料に発生の時期と手口は書かれていません。
時事通信の配信記事によると、不正アクセスがあったのは10月21日から30日までの間で、消防庁は11月4日に委託事業者から報告を受け、システムを止めました。経路は調査中と伝えています。富士ソフトがいつ検知したかは公表されていません。
安否情報システムとは
武力攻撃事態などで住民が避難したときに、家族などが安否を確かめられるようにするためのシステムです。国民保護法の定めにより、自治体が住民の安否情報を集めて国に報告し、国と自治体が照会に答えます。その事務のために消防庁が作り、2008年4月に運用を始めました。
自治体の職員などが避難所や病院で集めた情報をパソコンから入力し、全国のデータとして検索できます。扱う情報は氏名、生年月日、性別、住所、負傷の状況や死亡に関する情報、居所、連絡先などです。その後、自然災害にも使えるよう改修され、2011年の東日本大震災では約16万3,000件が登録されました。現実の災害で使われた最初の例です。
漏れた情報
消防庁は現時点で個人情報の漏えいがあったとは確認されていないとしており、影響の範囲は調査中です。
一方、富士ソフトは個人情報の漏えいはないことを確認したと公表しています。「確認されていない」と「ないことを確認した」で、書き方が異なります。どのような調査でそう判断したのかは、どちらの発表にも書かれていません。
時事通信の配信記事は、過去に収集した情報は削除済みだったと伝えています。消防庁の資料にこの点の記載はありません。
消防庁の対応
消防庁は影響の範囲を調べるためにサービスを止め、外部からのアクセスを遮断しています。
委託事業者には原因を早急に調べること、再発防止の対策を速やかに取ることを指導するとしています。富士ソフトは受託事業者として必要な対策を徹底するとしています。サービスを再開する時期は公表されていません。住民に何かを求める案内も、消防庁の資料にはありません。
中小企業が学べること
今回は委託先が不正アクセスを見つけて発注元に報告し、発注元がサービスを止めて公表しました。システムの運用を外部に任せていても、この流れの中で自社が受け持つ部分は残ります。
- 委託先が異常に気づいてから何時間以内に、誰へ、どの手段で知らせるかを契約書か覚書に書いてください。休日の連絡先も入れてください
- 報告を受けたあとにサービスを止めるかどうかを判断する人と、不在のときの代わりの人を決め、止めている間の業務の進め方も紙に残してください
- キャンペーンや訓練のために集めた名簿は、終わったあとに消す期限を決めてください。消してあれば、侵入されても漏れません
- 緊急時にしか使わないシステムも、更新と点検が保守の範囲に入っているかを委託先に確かめてください
委託先に確かめることはシステムの委託先に聞くべき5つのことにまとめています。
自社で確かめること
- 委託先からの報告の流れシステムの運用を任せている会社から、異常の報告を誰が受けるかを決めておきます。
- 止めるときの判断影響の範囲が分かるまでサービスを止めるかどうか、誰が判断するのかを決めておきます。
- めったに使わないシステム緊急時だけ使うシステムも更新と点検の対象に入っているか確かめます。



コメント 0
まだコメントはありません。