Apache httpdに20件の脆弱性、最大CVSS 9.8で更新を

Apache HTTP Server 2.4.69 で
脆弱性の概要
- 対象
- Webサーバー
- 悪用
- 確認されていない
- 影響
- 遠隔で停止やコード実行のおそれ
- 修正版
- 修正版あり
- 公表元
- Apache / Ubuntu / CISA
| 製品 | 対象のバージョン | 修正版 |
|---|---|---|
| Apache HTTP Server 2.4系 | 2.4.68 以前 | 2.4.69 |
| Ubuntu 26.04 LTS | 修正版より前 | 2.4.66-2ubuntu2.5 |
| Ubuntu 24.04 LTS | 修正版より前 | 2.4.58-1ubuntu8.16 |
| Ubuntu 22.04 LTS | 修正版より前 | 2.4.52-1ubuntu4.24 |
| Ubuntu 20.04 LTS | 修正版より前 | 2.4.41-4ubuntu3.23+esm8(Ubuntu Pro) |
| Ubuntu 18.04 LTS | 修正版より前 | 2.4.29-1ubuntu4.27+esm12(Ubuntu Pro) |
製品の履歴:Apache HTTP Serverの脆弱性一覧Ubuntuの脆弱性一覧
やること
Apache HTTP Server(Web サーバーのソフト)を 2.4.69 へ更新してください。
- Ubuntu は apt で更新し、そのあと apache2 を再起動してください。USN-8898-1 が10月7日に出ています
- 20.04 LTS 以前は Ubuntu Pro が必要です
- 26.10 は CVE-2026-57941 の修正がページにまだ載っていません
Ubuntu は公式の新しいバージョンへ上げず、今のバージョンに修正だけを取り込みます(バックポート)。そのため 24.04 LTS は 2.4.58 のままで、バージョン番号だけでは判断できません。パッケージのバージョンを上の表と比べてください。同じ仕組みの例は nginxに遠隔で狙える欠陥5件、Ubuntuは全LTSに修正 にもあります。
更新のあとに apache2 を再起動するのは、動いているプロセスが更新前のモジュールを持ち続けるためです。再起動が済むまで、修正は効きません。
公式の一覧にも CVE 記録にも、CVE-2026-57941 の回避策は書かれていません。
何が危ないのか
公式は10月1日に 2.4.69 を公開し、20件を修正しました。Moderate が5件、Low が15件で、Critical と Important はありません。
CVE-2026-57941 は HTTP/2 の処理(mod_http2)の欠陥で、共有のバッファを再入で触るため、解放済みのメモリを使ってしまいます。Ubuntu は、遠隔の攻撃者がサービスを止めたりコードを実行したりするおそれがあると説明しています。
この欠陥の評価は分かれています。Apache の評価は Moderate ですが、米国の CISA は CVSS を 9.8 としました。認証は要らず、ネットワークから届く評価です。悪用については、CISA は「なし」としています。一方で CISA の記録は、自動化できる攻撃で、影響が全面に及ぶ可能性があるとしています。Ubuntu 側の優先度は Medium です。
ほかの Moderate は次の4件です。
- CVE-2026-63292:mod_vhost_alias の欠陥で、停止やコードの実行につながるおそれがあります。条件は、
VirtualDocumentRootにホスト名の書式指定を使い、LimitRequestFieldSizeを既定より大きくしたうえで、8192バイトを超える Host ヘッダーを送られることです。全プラットフォームが対象です - CVE-2026-42528:mod_dav(WebDAV)の共有ロックの欠陥で、子プロセスが止まります。WebDAV のロックを作れる権限が要ります
- CVE-2026-93546:mod_dav_fs の欠陥で、書き込み権限のある認証済みの WebDAV クライアントが、多数の名前空間を宣言した PROPPATCH を送ると、ワーカープロセスが止まり、プロパティのデータベースが壊れ続けます
- CVE-2026-59685:Windows 版だけの欠陥で、展開すると長くなる短縮形式(8.3形式)のパスを処理するときに起きます
Low の15件にも、設定しだいで当たるものがあります。たとえば Digest 認証の mod_auth_digest の欠陥が3件、フォワードプロキシでの FTP の応答の検証不足、mod_rewrite の先読みの使用などです。
対象
CVE-2026-57941 の対象は、Apache の一覧では 2.4.17 から 2.4.68 で、mod_http2 を使うサーバーです。Ubuntu のページと CVE 記録は 2.4.0 から 2.4.68 としていて、範囲の書き方が違います。2.4.68 以前は、どちらでも対象です。
Ubuntu の通知 USN-8898-1 が挙げる CVE は、CVE-2026-56154(mod_rewrite)、CVE-2026-57941、CVE-2026-59797(mod_ssl)の3件です。このうち CVE-2026-57941 は、18.04 LTS から 26.04 LTS までに影響すると書かれていて、16.04 LTS と 14.04 LTS は影響なしです。
中小企業が学べること
使っていないモジュールは読み込まない設定にしておくと、欠陥の当たる範囲が狭くなります。今回の20件は、mod_http2、mod_dav、mod_auth_digest、mod_proxy_ftp など、モジュールごとの条件が付いていました。apache2ctl -M で読み込んでいるモジュールを一覧にして、使っていないものを外してください。
WebDAV やフォワードプロキシのように、特別な用途の機能は、使うときだけ有効にします。書き込み権限のあるアカウントや、外から使えるプロキシが、攻撃の足がかりになりやすいためです。
レンタルサーバーで動かしている場合は、サーバー側の更新を事業者が行います。更新の予定を事業者に聞いて、結果を控えておいてください。
自社で確かめること
- パッケージのバージョンを見るUbuntu では apache2 -v の表示では判断できないので、dpkg -l apache2 のバージョンを上の表と比べてください。
- 再起動を確かめるUbuntu の案内では更新のあと apache2 の再起動が必要なので、再起動が済んでいるかを確かめてください。
- レンタルサーバーに聞くレンタルサーバーで動かしている場合は、更新の状況を事業者に聞いてください。



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